2013年2月18日月曜日

クロアチクス・ダブルが咲きました。

例年よりは遅れてようやく開花してくれました。花の大きさが分かりにくいですが、植えているのが 15cmロングスリット鉢なので、小さい花だという事がご想像できるかと思います。

サイズは 2.5cmくらいで、うつむいて咲きます。 入手してからけっこう年数が経っているのですが、欲しいという知り合いが順番待ちしているので、毎年のように小分けにしてしまっています。

今年は花が二つ咲くこのくらいの株が二鉢だけになってしまいました。株に力を付けるためにも、しばらくは株分けできそうに無いですね。実際のところ、原種は無理に採種するとあっけなく作落ちします。

たぶんこの状態の株で一つの花丸ごと分の種子を採ると、来年は花茎が上がらずに咲かなくなると思います。なので本当なら花粉親としてのみ交配に使い、花茎が3本くらいは上がるような充実株に育ててから採種した方が良いです。

 この花は雌しべが三つあります。それぞれが袋果と呼ばれるさやに生長しますが、原種の場合は種子の数が少ない物が多くて、一つの花から多くは採れません。

ただクロアチクスの場合は大きなさやを付けて、種子の数も多く出来ます。採種すると株の消耗が激しい原因がここにあると思うのですが、見た目よりたくさんの種子が採れるのも、クロアチクスの良い点だと思います。

一つのさやに平均して8粒くらいでしょうか。ニゲルなどに比べると少ないですが、原種の中では多い方だと思います。話は変わりますが、ボッコネイはリグリクスに比べると種子採れないですよね。リグリクスが採れすぎるのかもしれませんが……

花はいわゆるバイカラータイプで、デュメトルムのダブルと交配するとこんな花になるのかなぁとか、トルカータスのダブルとならあんな花に……なんて色々と想像させてくれますが、今年はどちらも開花終了。

タイミングがずれてしまったので、それらの組み合わせはまた来年です。今年は無理させずに、原種交配系の小輪タイプへ花粉の提供に留めたいと思います。

そうそう、ダブルと書いていますが、この個体は厳密にはセミダブルだと思います。ある程度時間が経つと内側の花弁が落ちるものがあるので。ただしその程度が面白くて、全部落ちてしまう花、二、三枚残る花、全く落ちない花など状態によって分かれます。

完全に花弁化していないと考えるのか、キンポウゲ科なんだから花弁は落ちて当たり前でしょ? と考えるべきなのか、その辺りちょっと悩みます。ハイブリッドの完全なダブルは、種子が採れる頃にも花弁は落ちません。 脱落しないようになるという事は、花弁がより萼片的な性質を獲得すると言う事なのかもしれません。

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