2015年2月28日土曜日

大木さんの即売会二回目

Gallery trax さんでの今年二回目の即売会です。今日も人いっぱいかな……と11時ちょうどに現地へ着くと、入り口で並ぶ人たちがw

前回と同じくらい? 皆さん窓から見えるあの花、この花と狙いを定めているようでした。

わたしは小輪のネオン系と面白い花は無いかなぁと、のんびり見て回っていると、目の前で次々に消えていくポットたちw

いやもう、みんなすごい勢いでピックアップするんですね。のんびり見てると間に合いません。

ホワイトピコティのSDがとても綺麗でした。大木ナーサリーの花、というと渋~い原種系のイメージがありますが、とてもオーソドックスな花もしっかり手がけていらっしゃいます。

なかでもわたしが毎年楽しみにしているのが、ホワイトのピコティ系。ダブルで可愛いのがあったので、それはゲットしてお持ち帰りしました。

他にもリバースタイプ、グラデーションタイプ、ゴールド系、パーティドレス系?、などできれいなお花が色々ありました。でも、やっぱり緑系のダブルやムルティ交配など、渋系の花が多いのは確かですね。




そんな中で面白い咲き方の花を発見。花型は今ひとつですけど、花茎の出し方が面白い花です。デュメトルムの側枝を伸ばした感じというか、地際からぶわっと枝分かれして、多数の花を一度に付ける感じ。

今までこういう咲き方のクリスマスローズは見たことが無かったので、とても面白いと思いました。花の色は葡萄色というのでしょうか、特徴のあるパープルでした。

この花も気に入ったのでお持ち帰り。他には悩んだ末の小輪ネオン系を一つと、Slovenia 産のアトロを買いました。自分はトルカよりアトロのほうが好きなんですよね。

花の大きなものや草姿の乱れるものも多いですが、丈夫で花付きが良い事が気に入っています。トルカはちょっと気むずかし屋で、扱いにくい個体が多いです。

今回これは!? と思ったのがこちらの花。見た目は原種のダブルそのものに見えます。でも大木さんに伺ったところまぎれもないハイブリッドだそうです。

原種F1 どころじゃなくて、けっこう色々と交配してあるのだとか。このすっきりとした緑一色に、形良く並ぶ花びらの雰囲気は、ハイブリッドで洗練されてきた遺伝子のなせる技なのでしょうか。

原種のダブルは三種類しか手元にありませんが、確かにちょっと花びらに縒があったり、真下を向く咲き方だったり、鑑賞の点からは残念な部分もあります。

斜め下を向いて咲く所や形の良さは、原種そのものではない事の証なのかもしれません。株元から伸びている新葉も、原種のトルカにしたら出てくるのが早いと感じます。

花径はわずか3.3cm。デュメトルムよりは大きいですが、手元にあるモンテネグロ産のトルカ(セルビクムと同種と考えられています)より、一回り小さいです。

ボスニアのトルカ? だったかな、を使ったそうなので、それなら納得です。クロアチアやボスニアのトルカは花が小型のものも多くて、下手をすると2cm無い小さな花の個体もあります。

やっぱり原種の花は面白いですね。これは原種ではないので、たぶん育てやすいです。当然お持ち帰りしましたw

2015年2月25日水曜日

絹の花

あったかいんだからぁ~、というわけで、順調に開花が進んでいます。二番目の花が咲き始めました。花びらの先が尖っているのは、このつぼみが一番最初に大きくなり始めたから。

本当なら一番花はこちらになったはずなのですが、二番目のつぼみが追い込みをかけて先に咲いたという。同じ株の別な花茎なだけなのですが、微妙な差があって面白いです。

こちらの花はあまり花弁化が進んでいません。ちらほらと数枚の小花弁が見られるだけです。

三番、四番も順調で、週末には揃って咲いた姿を見せてくれると思います。

それにしても、つぼみの濃いチェリーピンクが、開くに従って薄桃色に変化するのが何ともいえません。ずっと濃いままでもきれいだろうなと思いますが、移り紅という和風な感じが、いかにも「絹」らしさを感じます。

まだ薄めの液肥を上げているだけですが、一番花が咲き進んだら固形肥料を上げようかと思っています。

最後に、先日若泉さんの所で購入してきた花を。こちらはつぼみで買ってきた小輪のクリーム。近くに同じ雰囲気の一回り大きな花のポットがあったので、たぶんこちらの方が小さいかな? と思って連れてきました。

4cmくらいの大きさで、原種系小輪の雰囲気です。クロアチクスの交配種かな? 花びらの根元にスポットが少し入ります。抱え咲きの可愛らしい雰囲気です。

若泉さんの花には珍しい気がします。これからも色々なタイプを作ってくれると期待しています。

2015年2月22日日曜日

お絹さんが咲きました

あいにくの曇り空の下、絹が咲いてくれました。今年で二回目の開花になります。昨日は若泉さんの所で絹の様子や、栽培の注意点など聞かせて頂きました。

去年は2月の大雪の後しばらく寒の戻りがあって、全体的に寒さが厳しい冬でした。今年は暖冬なので、二週間早く咲いてくれました。

サンシャインで、クリスマスローズの世界展を開催している最中に咲いてくれるなんて、たくさんの人に見てもらっている、親元の立派な展示株に対抗意識でも燃やしたのでしょうかw

一番花から丸くふっくらと咲いています。そして、昨年は数枚だった蜜腺の花弁化がさらに顕著になっています。

数えた所14枚の花弁化が確認出来ました。しかも昨年の丁字咲き風な中途半端さで無くて、スプーン状の白くしっかりした花弁に。

全ての蜜腺が変化しているわけではありませんので、SDにも充たない変化咲きです。でも今年は幸いにも花粉も出ています。

晴れた日じゃ無いと受粉率が良く無いのですが、せっかく本人がやる気を出してくれているので、ダメ元でセルフ受粉してみました。もしも種が取れたら、もしかしたらセミダブルの絹が生まれてくるかもしれません。

うーむ、でもそれって美しい花になるのかなぁ。いまいち想像出来ません。

2015年2月21日土曜日

若泉さんの直売所に行ってきました

今日は以前から行きたがっていた父と一緒に、綾瀬の若泉ファームさんの直売所におじゃましました。午前中に着く予定が、環七の大渋滞にはまってお昼過ぎの到着に。

お店の人がいないのに勝手に見て大丈夫かなぁと思いながら、一つ一つゆっくりと花を見られました。お、これは……やや、この花は……などと見て回っていると、若泉さんがいらっしゃいました。

てっきりサンシャインに行っている思っていたので、お会い出来るとは思わずびっくり。その頃までに父が4つもピックアップ済みなのにまたびっくり。お主、いつの間に……

色々なお話しを聞かせて頂く内に、ブログで紹介されていたこのクリスマスローズの実物を見せて頂きました。逆光で赤が強く出ていますが、チョコレート色に黄色の縁取りが良く映える美しいお花です。

派手派手しい感じはなくて、しっとりと、落ち着いた雰囲気の中にちょっとお洒落を感じさせる。そんな和の雰囲気を持ったお花でした。失礼な言い方かもしれませんが、この色の襲に美しさを見いだせるのは、日本人の感性ならではじゃないかと思います。

万葉の頃の、優雅に歌を詠んでいた感じといいますか。明日香の野辺を吹く風のような、優しいけど力強い。そんな雰囲気です。



販売出来るようになるまで、まだしばらくかかるとおっしゃっていましたが、ぜひ一日も早いお披露目をお待ちしています。

いくつかの少しずつ個性の違った兄妹たちが咲き競っていました。







そんな中でもこの一株。多弁で縁が白く抜ける。差し詰めシルバーエッジ、という感じでしょうか。カラス葉の草姿ともバランスの取れた雰囲気で、キリッとした男前なお花でした。

他の兄弟姉妹がどちらかと言うと女性的な感じなのに、このお花は男性的な雰囲気がありました。 ちょっとした色味の違いで、ずいぶんイメージが変わると驚きます。

父もきれいで素晴らしかったと、帰りの車の中で頻りに話していたのもこのお花です。実物を見る事ができただけでも、今日来て良かったと喜んでくれました。

少しは親孝行になったかなと。翡翠の大株や原種の数々、丸弁で形の良い桃の一重、灰グレーのカップ咲きなど、見ているとどれも買いたくなってしまいますが、置き場が無いので以前から欲しかったグラデーション咲きのものを連れ帰りました。

また来年も来られたらいいなと思う、暖かく楽しい一日でした。帰りはめっちゃスムーズだったw

2015年2月19日木曜日

初めてのSDゴールド

松浦園芸さんのSDゴールドを購入しました。SDやDDのゴールド系は初めてです。何度か実物を目にして、値段と花型に悩む事が続きましたが、とうとうゲット。

一見するとダブルに見える花ですが、花弁がスプーン状の形態をしている事から、SDではないかと思います。種サヤがふくらむ時期でも脱落しなければ、特異形状のDDと判断して良いと思いますが。

開きはじめたつぼみを見る限り、SDの性質が強そうだなぁと思っています。ゴールドとしてはまぁまぁの黄色ののりでしょうか。展開している新葉や軸の色から考えるに、緑系で咲き始めて徐々に濃くなるタイプではないかと思います。

純系のゴールドにイエローを戻し交配して得られた系統、と考えるとこのタイプでしょう。セルフの苗からはイエローからゴールドまで、一重からダブルまでさまざまに分離した花が出てくると思います。


雌しべの先はあまり赤みを感じないので、アシュードのゴールドネクタリーの性質はあまり出ていないように思います。

花弁の付け根付近にわずかに赤のスポットが見られるので、元々はゴールドのスポットタイプから生まれた花でしょう。

一番花の先出しで背が低い点は、ゴールドネクタリーの性質そのものです。といいますか、イエローの作出に使われたシクロフィルスの持つ性質らしいです。

これから暖かくなるので、だんだん背も伸びてかっこいい咲き方になってくれると嬉しいです。

※葉の縁や花びらの縁の茶色の染みは、輸送中に凍害を受けたからです。山梨は雪模様で一日寒かったので仕方ないかと。

2015年2月17日火曜日

原種を二つ

今年は原種の開花がようやく始まったばかりです。寒さのせい? では無いと思うのですが、いつもより遅いのはなぜでしょう。

こちらのデュメトルムは今年が初開花の、WM9504 Slovenia産、現地採取個体の株分け苗です。結構小さな株だったので夏越し出来るか不安でしたが、こうして咲いてくれるとうれしさもひとしおです。

整った花型で細葉、背が低く咲くのは Slovenia産の特徴だと思います。原種の中でも好きな種類なので、大株に育ててわさわさ咲くのを見たいですね~。


 本当ならこの個体が一番早く咲くのですが、昨年の夏の暑さで葉焼けをしてしまって、秋になって新葉が出るまで丸坊主でした。

株の調子は決して良く無いのだと思いますが、けなげに花茎を二本上げてくれました。WM0710 Scisily産のボッコネイです。

三回目の開花ですが暑さに弱いのか、どうも葉焼けさせやすくて管理が難しいと感じています。ボッコネイはリグリクスと共に、育てやすいイタリア産の原種として知られているのですが、一筋縄ではいかないというか、産地によってはそうでもない?

花後に水捌けの良い土で植え替えようかなと思っています。

2015年2月15日日曜日

今年のお絹さん

昨年初めて咲いた若泉さんの「絹」が、今年も順調に育っています。山梨の暑い夏も平気で育つ、とても丈夫なお絹さん。

寒さにつぼみがしおれる事もなく、毎日少しずつ大きくなっています。今年は花茎が5本上がっていて、株元に花芽かもしれない芽が二つあります。

昨年の初回花の時は主茎につぼみを三つずつ付けてくれました。今年は株に力が付いたせいか、主茎の根元から側枝の花茎も上がっています。

つぼみの数はかなり増えてくれたようです。このまま一年おくと窮屈そうなので、秋には株分けしようと思います。 お絹さんのポットはリッチェルのローズポット8号サイズ。RHSJがバラ栽培におすすめしている鉢で、底が細いスリットになっていて水捌けがとても良いです。

こちらは三年目を迎える初代「卑弥呼」。ネクタリーが緑のタイプです。昨年からかなり花型が整ってきましたが、今年はもう一段階進んだ感じです。

丸く抱えてうつむき咲きの、理想的なお花になりました。昨年は花茎が三本だったので、ぶっちゃけ作落ちさせちゃいました。肥料が足りなかったのだと思います。

絹も卑弥呼もハルキガーデンさんの「クリスマスローズの土」を単用で使っています。この土は腐葉土を配合していますが、元肥が全く入っていません。それでいて水捌けがいいので、肥培に努めないとハイブリッドには物足りないようです。

同じ管理でお絹さんは元気なので、ニゲルの小食? な性質を受け継いでいるのかなぁとか。チベタヌスもハイブリッドよりは肥料を欲しがらないでしょうし。

今年はもう少ししてから、液肥を上げはじめようと思います。固形肥料もそろそろ置いてもいいかな。

チベタヌス植え付け

昨日に続いて、今日は朝からチベタヌスを植えました。何度も枯らしては懲りずにまた挑戦しています。チベタヌスからしたら迷惑千万なんだろうなぁ。

ヴェシカリウスと同じく、伝市鉢の6号サイズに植えています。こちらはシャジン鉢という形のもので、お尻の部分がふくらんでいません。ストンと下までなだらかに落ちています。

水が底まで一気に抜ける形をしています。ヴェシカリウスに使ったシュンラン鉢は、お尻が少し丸くなっていて、いったん水を受け止める形になっています。

どちらも一番下には大粒の軽石を入れています。機能的には硬質赤玉土や日向土の大粒のほうが、水を引いてくれて良さそうですが、山梨だと一年で凍結崩れしちゃうんですよね。

チベタヌスもヴェシカリウスもよほど調子をくずさない限り、二年はこの鉢で育てたいので二年持たない粒土は使いにくいです。凍結させない環境なら、非常に良い鉢底石になると思います。

 植え付け前の根の様子です。花茎二本のしっかりした苗でした。花は全て取り除いています。咲かせても本来の姿じゃないですし、消耗させるだけです。

この苗は不織布をポット型にしたもので植えてありました。なる程、不織布は良いアイデアだと思いました。根傷みもきれいに整理してあるし、腐敗した所もなく地下茎もしっかりしています。

葉芽が九本も付いた良い状態の株でした。これなら栽培の下手なわたしでも、良い状態で育てられるでしょうw

培養土は元々植えてあった土が良いものだったので、これにヴェシカリウスで使ったハルキガーデンさんの「観葉植物の土」を半分混ぜました。

全体に粒の大きい礫が多いので、ヴェシカリウスの培養土より排水の良いものになりました。チベタヌスはとくに夏場の乾燥が禁物です。根腐れを起こさないように気を付けながらも、決して水切れさせないようにしっかり管理しようと思います。

春の寄せ植え第二弾を作りました。中央に久留米ツツジ、周囲にビオラ、プリムラ・ジュリアン、ムスカリ・オーシャンマジックを植えています。

それぞれの株の間に芽出し前のホスタを二種類植えているので、久留米ツツジの咲く頃には新葉を展開してくれると思います。

ツツジは根を浅く張るのに水が好きという性質なので、水切れに注意が必要です。今の時期は強風が吹いた日以外はそれ程心配要らないのですが。

2015年2月14日土曜日

ヴェシカリウスの植え替え

ベストな時期ではありませんが、寒さが緩んできたのでヴェシカリウスの植え替えを行いました。こちらで以前に紹介した、超ロングポリポットに植えたヴェシカリウスの苗です。

二年そのままで育てて、ようやく今年植え替えました。以前に、ヴェシカリウスは水捌けの良い用土で管理すれば、夏場も水を切らずにそのまま管理する方が良いのでは無いか、と考察していました。

結果どうなったかというと、山梨県の平野部という真夏は日中38℃を超え、夜間も30℃以上の熱帯夜が一ヶ月近く続いた昨年の夏にも問題無く生長してくれました。

地上部は無くなって休眠状態のはずですが、フクジュソウやヤマシャクヤクと同じ管理(という表現でピンと来る人には説明不要ですね)、夏から秋にかけては鉢の表面が乾いて三日程経って、地下茎の上部辺りまで乾いたら十分灌水する、という管理で育てていました。

超ロングポリポットを使ったので、実際にはポットの長さの上から1/3まで乾くのを目安であげていました。

植え付け前の苗の様子がこちらです。左の二株が今年4年目になるもので、右端にある小さな苗が今年二年目のものです。

どちらも左が大きく育っていて、根の量が三倍くらい違うように見えます。その理由は生長サイクルの違いです。

左側の苗は、発芽したその年に本葉が一枚出てきた苗です。右の苗は発芽した年は双葉のままで一年経ってしまったもの。

雪割草でよく知られる現象ですが、双葉が出てからすぐに植え替えて刺激を与えると、本来は翌年になる筈の本葉の生長を促す事ができる、というあれです。どういう訳か二本ずつ入手した内、どちらも片方は双葉の内に本葉を出して、もう一方は双葉のままでした。

何が原因か分かりませんが、種子の充実度や発芽した時の温度や水分量、日当たりなどが関係するかもしれません。これは調査が必要ですが、しばらく種子の入手が難しそうです。

 4年目の苗にしてはなかなかの充実具合だと思います。根の様子も腐敗していそうな所は見付からず、年と共に黒褐色に変色している様子だけ良く分かります。

年々色が濃くなっていくんですよね、クリスマスローズの根っこって。不思議ですが面白いです。種類によっては色があまり変わらないのも面白いです。

クロアチクスやデュメトルムは、いつまで経っても薄い茶色のままですが、トルカータスはすぐに褐色の根になっていきます。

培養土は、ハルキガーデンさんの「クリスマスローズの土」を使っていましたが、腐葉土を含まない土で保肥力の高い土が良いのではないか、元肥もあった方がいいかもしれない、という勝手な考えで今回の植え付けに際して土の種類を変えています。

同じくハルキガーデンさんの土で、「観葉植物の土」という、ココピートを多く含むものを使いました。長期間効果のある元肥を含みますので、これが凶と出る可能性もあります。しかしヴェシカリウスはかなり多肥を好む植物であると思っています。

なにしろ昨年、一昨年は灌水の代わりに毎回1500倍の液肥を上げていて平気だったくらいですから。むしろ調子が良くてこの結果が出ていると思います。

実は、生きていれば今年で8年目になる筈のヴェシカリウスの大株は、昨年の夏に枯らしてしまいました。結局花を咲かせる事は適わず、最後の二年はジリ貧で調子をくずしてしまいました。これを植えるのに使っていたのは、自分で配合した原種用の培養土で、礫が主体の極めて水捌けのいいものです。

しかし残念な結果となりました。それに対して、ハルキガーデンさんの土で育てた苗は、根痛みもせずに立派に育ちました。これから考えるに水捌けが良いに越した事はありませんが、樹勢を落とさないだけの肥培が必要と判断しました。アツモリソウやエビネに近い性質ですね。

 さて最後は二年目の苗です。右の褐色で葉の出ていない苗も二年目なのです。こちらは昨年本葉を出さなかったものです。芽の動きだしが遅れているのは、管理を失敗して夏に乾燥させすぎてしまった為と思います。

うっかり何度か水やりのタイミングを間違えて、ポットを持ち上げてあまりの軽さに焦ったという。完全に水を切ってしまった事が、数回あったように思います。ようやく白い新根が伸び始めていますが、左の苗に比べて細くて数も少ないです。

やはりヴェシカリウスは夏に水を切ってはいけないように思います。水を控えめにするのはいいですが、細根のある部分まで乾燥が進むと、その根は傷んで枯れてしまうのではないでしょうか。

左の苗は洋種ヤマゴボウのこぼれ種が飛んで、夏の間同居して育っていました。水切れの目安にしていたので、適切なタイミングで水をやれていたと思います。

さてさて、培養土を変えた事が吉と出るか凶と出るか。鉢植えで開花させる事が難しいヴェシカリウスですが、山梨の蒸し暑い夏を越えて無事に育ってくれるよう管理したいと思います。

2015年2月11日水曜日

クリスマスローズの寄せ植え

暖かい日中に春を感じたので、クリスマスローズを使った寄せ植えを作りました。クリスマスローズの他には、プリムラ・ジュリアン、ビオラ、クリサンセマム・ノースポールなど。

一見すると春の寄せ植えのようですが、わたしが寄せ植えを作る場合は、一年楽しめる宿根草主体の寄せ植えにします。

この寄せ植えにも、プリムラやビオラが終わったあとに主役となるホスタが二種類とベルゲニア・ルナーグロー、ペルシカリア・オレンジフィールドを一緒に植えました。

まだ葉の出る時期では無いホスタやペルシカリアは、プリムラやビオラの株の下に植えて、その上を根洗いしたプリムラやビオラの根で覆って、上から培養土を足して押さえます。

 このように縦に長いローズポットを使っているのは、初夏から秋にかけて背の高い宿根草が花を付けるからです。その頃にはビオラもプリムラも終わってしまうので、花の終わった株から別の一年草などに入れ替える予定です。

これだけプリムラが目立つ寄せ植えだと、小輪のクリスマスローズでは全く目立ちませんねw 大輪系の花付きのいい株を選べば良いのですが、そうすると根鉢がかなり大きくなるので寄せる植物の種類が少なくなります。

この寄せ植えには二種類の小灌木が使われています。一つは中央に細く伸び上がっている落葉樹で、斑入り紺照ウツギと呼ばれる、コガクウツギの斑入り品です。

芽出しから落葉まで斑入りの濃紺の葉で楽しませてくれて、初夏には白いアジサイの花も。右奥には常緑樹のヒメツルコケモモ(クランベリー)を植えてあります。こちらも可愛いピンクのお花と赤い果実が楽しめます。

常緑樹は冬の彩りに、落葉樹は一年の変化にと、小灌木は寄せ植えに使うと変化を見せてくれて実に楽しい素材です。

クリスマスローズをアップで。ジュリアンより二回りも小さい小輪の原種交配です。

大木さんの株ではありませんが、最近は原種交配のコンパクトで小輪、多花性のクリスマスローズも増えてきました。

お値段も極端に高価では無くなりましたし、寄せ植えに使ってみても面白いと思います。花が終わって葉が大きくなって、ヤツデのようなグリーンを主張するクリスマスローズも良いものです。

2015年2月7日土曜日

今期に購入したお花

最初はクロアチクスです。WM0432 なので、もう10年以上前に採取されたものなのですね。一過性のブームで終わらずに、園芸の一分野として、着々と歴史を積み重ねているなと感じます。

ウィルさんの株分け苗で株の状態も良くて、何より整形花なのが素晴らしいです。ベインも入る典型的なクロアチクスと思います。

苞葉は細く小さくて、国内で流通している実生系の株とは雰囲気が異なります。アトロルーベンスは苞葉が大きな個体も多く見掛けますが、クロアチクスの特徴として、株に対しての花の小ささ、苞葉の小ささもあると記載されています。

現地でたくさんの個体を比較しないと正確な事は言えませんが、Wild 由来のこうした個体を見ていると、やっぱり原記載の情報は正しいのだろうと思えます。

良く取り上げられる苞葉と花梗の繊毛は、びっしり生えていますw

 続いて若泉さんの卑弥呼。卑弥呼は二株目です。前に購入したのはネクタリーがグリーンのものだったので、赤ネクタリーのこちらを入手しました。

やっぱり赤の一重は見飽きなくていいですね~。反則気味に透過光で写すと、見事な赤色が上品で素晴らしいです。

先代の緑ネクタリーの個体も、ようやく開きはじめました。戸外で育てているので、この時期の生長はとても緩やかです。その分長く花を楽しめるので、良い事ではあるのですが……じれったい。







こちらのクロアチクスダブルの血を引くお花も若泉ファームさんのものです。初期の頃から比べると、だいぶ「若さまらしく」なってきたように思います。

若泉さんのグリーンダブルは、およそわたしの知る限り最高のものだと思っています。花型、咲き方、花びらの厚味など椿の趣を感じさせる良い花です。

その形が反映されてきたのかなと、嬉しく思いました。色彩はバイカラーとも、ピコティともいえる複雑なもので、色の点ではまだ原種に引っ張られていると感じます。

ここから鮮やかさを増していくか、或いは違う方向に進むのか。来年以降も答えを見続けようと思います。



 最後に大木さんの小輪ピコティーです。デュメトルムの系統だそうですが、草姿以外にはデュメトルムっぽさを感じません。花はハイブリッドの丸弁ピコティーを小さくしたものそのものです。

組み合わせの妙なのか、よくぞこういうお花になったなぁと、感心しました。こちらは即売会で購入したものではありませんが、華やかなダブルの花が咲き乱れる中では、見落としてしまったかもしれません。

クリスマスローズのお花を美しいと、初めて思ったのはホワイトピコティーの一重咲きを見た時でした。自分にとって原点とも言える白のピコティー咲きは、いつまでも追いかけていたい花です。

このお花は一つの理想形だと思います。

大木ナーサリー即売会へ行きました

今期最初の記事なんですねー。すっかりサボってしまいました。大木さんの Gallery traxさんでの即売会に行ってきました。

予想はしていましたが、車を駐める場所が無いほどの大賑わい。少し遅れて来たので皆さんおおかた選んだ後のようでした。

大木さんというと原種交配のイメージが強いですが、写真のような大輪系のハイブリッドもしっかり展示されています。

どれもリーズナブルな選びやすい価格帯。その中にきらりと光る個性があるのが大木さんのお花です。

 買おうかどうしようか悩んでやめたのが、右の写真中央のムルチ交配系。背の低いコンパクトタイプという系統かと思います。

こちらの棚には香りの良いリグリクスとか、プルプラセンスの花形の良いものなどありました。ラベルの表記からナーセリーシード由来のものと思います。

大木さんは由来をしっかり管理されているので、質問すれば答えてもらえる事が多いです。安心して色々選べますね。


今回の一番お気に入りはこちらのムルチ交配ホワイトピコティー。予算オーバーで諦めましたが、大木さんは毎年この系統をしっかり作って、しかも進化し続けています。

二年前にも同系統の花を見ましたが、花びらの重ね、ピコティーの切れ、抱え咲きの点などどれも上回っているように思いました。このタイプは背が高くなるので、寄せ植えのセンターや庭植えにしたらとても映えるだろうと思います。

二月末にもまたあるので、そちらも覗きに行こうかと思います。遅咲きの原種など面白いものがありますし。昨年はプルプラ交配で可愛いピンクの抱え咲きが良かったです。