2015年2月14日土曜日

ヴェシカリウスの植え替え

ベストな時期ではありませんが、寒さが緩んできたのでヴェシカリウスの植え替えを行いました。こちらで以前に紹介した、超ロングポリポットに植えたヴェシカリウスの苗です。

二年そのままで育てて、ようやく今年植え替えました。以前に、ヴェシカリウスは水捌けの良い用土で管理すれば、夏場も水を切らずにそのまま管理する方が良いのでは無いか、と考察していました。

結果どうなったかというと、山梨県の平野部という真夏は日中38℃を超え、夜間も30℃以上の熱帯夜が一ヶ月近く続いた昨年の夏にも問題無く生長してくれました。

地上部は無くなって休眠状態のはずですが、フクジュソウやヤマシャクヤクと同じ管理(という表現でピンと来る人には説明不要ですね)、夏から秋にかけては鉢の表面が乾いて三日程経って、地下茎の上部辺りまで乾いたら十分灌水する、という管理で育てていました。

超ロングポリポットを使ったので、実際にはポットの長さの上から1/3まで乾くのを目安であげていました。

植え付け前の苗の様子がこちらです。左の二株が今年4年目になるもので、右端にある小さな苗が今年二年目のものです。

どちらも左が大きく育っていて、根の量が三倍くらい違うように見えます。その理由は生長サイクルの違いです。

左側の苗は、発芽したその年に本葉が一枚出てきた苗です。右の苗は発芽した年は双葉のままで一年経ってしまったもの。

雪割草でよく知られる現象ですが、双葉が出てからすぐに植え替えて刺激を与えると、本来は翌年になる筈の本葉の生長を促す事ができる、というあれです。どういう訳か二本ずつ入手した内、どちらも片方は双葉の内に本葉を出して、もう一方は双葉のままでした。

何が原因か分かりませんが、種子の充実度や発芽した時の温度や水分量、日当たりなどが関係するかもしれません。これは調査が必要ですが、しばらく種子の入手が難しそうです。

 4年目の苗にしてはなかなかの充実具合だと思います。根の様子も腐敗していそうな所は見付からず、年と共に黒褐色に変色している様子だけ良く分かります。

年々色が濃くなっていくんですよね、クリスマスローズの根っこって。不思議ですが面白いです。種類によっては色があまり変わらないのも面白いです。

クロアチクスやデュメトルムは、いつまで経っても薄い茶色のままですが、トルカータスはすぐに褐色の根になっていきます。

培養土は、ハルキガーデンさんの「クリスマスローズの土」を使っていましたが、腐葉土を含まない土で保肥力の高い土が良いのではないか、元肥もあった方がいいかもしれない、という勝手な考えで今回の植え付けに際して土の種類を変えています。

同じくハルキガーデンさんの土で、「観葉植物の土」という、ココピートを多く含むものを使いました。長期間効果のある元肥を含みますので、これが凶と出る可能性もあります。しかしヴェシカリウスはかなり多肥を好む植物であると思っています。

なにしろ昨年、一昨年は灌水の代わりに毎回1500倍の液肥を上げていて平気だったくらいですから。むしろ調子が良くてこの結果が出ていると思います。

実は、生きていれば今年で8年目になる筈のヴェシカリウスの大株は、昨年の夏に枯らしてしまいました。結局花を咲かせる事は適わず、最後の二年はジリ貧で調子をくずしてしまいました。これを植えるのに使っていたのは、自分で配合した原種用の培養土で、礫が主体の極めて水捌けのいいものです。

しかし残念な結果となりました。それに対して、ハルキガーデンさんの土で育てた苗は、根痛みもせずに立派に育ちました。これから考えるに水捌けが良いに越した事はありませんが、樹勢を落とさないだけの肥培が必要と判断しました。アツモリソウやエビネに近い性質ですね。

 さて最後は二年目の苗です。右の褐色で葉の出ていない苗も二年目なのです。こちらは昨年本葉を出さなかったものです。芽の動きだしが遅れているのは、管理を失敗して夏に乾燥させすぎてしまった為と思います。

うっかり何度か水やりのタイミングを間違えて、ポットを持ち上げてあまりの軽さに焦ったという。完全に水を切ってしまった事が、数回あったように思います。ようやく白い新根が伸び始めていますが、左の苗に比べて細くて数も少ないです。

やはりヴェシカリウスは夏に水を切ってはいけないように思います。水を控えめにするのはいいですが、細根のある部分まで乾燥が進むと、その根は傷んで枯れてしまうのではないでしょうか。

左の苗は洋種ヤマゴボウのこぼれ種が飛んで、夏の間同居して育っていました。水切れの目安にしていたので、適切なタイミングで水をやれていたと思います。

さてさて、培養土を変えた事が吉と出るか凶と出るか。鉢植えで開花させる事が難しいヴェシカリウスですが、山梨の蒸し暑い夏を越えて無事に育ってくれるよう管理したいと思います。

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