2014年3月14日金曜日

うなじ美人

本日晴れたので、二番目の花が綺麗に開きました。裏側は紅も濃いめで脈状に色が乗ります。

花梗と花びらの付け根付近は抹茶色? ベースのうす桜色に紅、緑がブレンドされて、かさね色の配色のように実に和の雰囲気を醸しています。

完全に開いた大きさは中輪のニゲルと同じくらいでなかなか見応えのある花になりました。









三番目の花は少し間が空いて咲き始めると思います。地際から新芽が上がり始めていて、数えると六本の新芽がありました。順調に育ってくれれば来年は豪華な株立ちのお絹さんが楽しめそうです。

その為にも早めのタイミングで一回り大きな鉢に植え替えたいところ。















今年は花茎四本でしたが、秋の段階では二芽の株でした。単純には行かないと思いますが、新芽の数から計算すると来期は10~12本の花茎が上がるのを期待してもいいのかも。

いくつかはセルフで採種しようと思います。二番目の花は5枚の花弁化が確認できるので、予想していたよりダブルの遺伝子が発現しているのかもしれません。

6年後、ダブルの絹は誕生するでしょうか。

2014年3月13日木曜日

雨の中の絹

久しぶりの雨になりました。お絹さんも二番花が咲き始めて、ようやっと豪華な雰囲気になってきました。


最初の花は何度か強い低温にあたったせいか、花びらの所々に傷みがあります。それとクリスマスローズの開花時の特性で、低温状態で咲くと花びらが剣弁化する傾向が出ています。

色合いはほんのりした桜色で、シルクのベールを思わせるふわりとした感じです。触ってみると実際には硬めでしっかりした花びらなのですが。












二番花は丸く、ピンクも濃いめに残っています。花の大きさはどちらも同じ位ですが、やはり開花時の温度の影響は大きいなと思いました。

どちらも花をのぞき込むと、一部の蜜腺が花弁化しています。ほんの数枚で割合は少ないのですが、絹は後代が作れますのでセルフで種子を採って撒いたら面白い花が咲くかも、なんて夢を持たせてくれますね。

まさしく和の趣の花だと感じました。若泉さんすげー。

2014年3月9日日曜日

絹とクロアチクスが咲き始め

まだ夜間は氷点下になる日が続いていますが、日中は10℃を越える日も多くなりました。お絹さんがやっと咲き始めです。昨年末からずいぶんと長く掛かりましたが、戸外だとこのくらいのペースが本来なのかも。

貝のように閉じていた外側の二枚は薄桃色に、内側の三枚は桜色に染まっています。まだ開葯してはいませんが、雄しべは開いてきていてニゲルの性質が良く出ています。

一つの花茎につぼみが三個付くようです。ニゲルの枝咲きというタイプがありますが、それとはちょっと違う雰囲気。もっとまとまって花が付くようですね。

雌しべの先に紅が乗っているのが若泉さんのニゲルの特徴です。ワンポイントがあることで締まって見えて可愛いです。
 花の大きさは中輪という所でしょうか。5cmくらいの大きさで、大きすぎず小さすぎず。花形は完全にチベタヌスのものですね。苞葉の雰囲気もチベタヌスです。

アシュードのピンク・アイスは花の雰囲気や苞葉の感じが割とニゲルを思わせる部分があるんですが、若泉さんの絹は質感といい、花形といいチベタヌスです。雄しべの広がるさまと色にニゲルを感じます。

あと容姿と花茎の上がり方とか。全体の雰囲気は明らかにニゲルなんだけど、花だけに注目するとチベタヌス。なんか不思議な花です。


 クロアチクスのダブルもようやっと開いてきました。原種のダブルは他にはデュメトルムとトルカのモンテネグロのものしかありませんが、それらと比較しても育てやすくて毎年良く咲きます。

稔性もしっかりあるのでセルフでの種取を毎年していますが、それらが咲くまでまだまだ掛かりそうです。採れる種子の量が少ないのもあるかもしれませんね。

それと苗の内は案外弱くて、枯れる個体は一年目で枯れてしまったりします。育て方に問題がありそうですが、まぁこれは仕方ないかな。

若泉さんの卑弥呼、昨年末から開花を始めてようやっと最後のつぼみが間もなく開きます。なんと四ヶ月も咲き続けていることになります。戸外だと長い冬の間をずっと咲いてくれている、あらためてすごい花だと思いました。

2014年3月5日水曜日

絹がほころんできました

もう雪はかんべんして欲しいなぁ。と、例年に無く寒い日が続いている当地ですが、ようやっとお絹さんが咲きそうです。花茎はあまり伸びていないので、鉢の縁に付いてしまいそうです。

つぼみはかなり濃いローズピンクです。生長してひとまわり、ふたまわりと大きくなるにつれて、だんだんと色が薄く、桜色に変化していきます。チベタヌスもつぼみは濃い色で、開くと薄くなる変化が見られますが、この絹は色の濃淡が変わる幅が大きいように思います。

組み合わせているニゲルの特性でしょうか。花びらの質感も独特のものがあって、和紙のようなしかみが見られます。アシュードのピンク・アイスはこのしかみがあまり感じられない、どちらかというとつるっとした花です。

絹もピンク・アイスもニゲルとチベタヌスの交配種ですが、選ぶ親同士でかなり違った結果になるのだと思いました。耐暑性など育てる上での性質も、絹の方がより日本の風土に適して、育てやすいように思います。


 先日のリグリクスの花は、このくらいまで開いてきました。早朝で雪が降っている状態でもしっかりと香ります。やはりウィルさんのお墨付きの個体は良いものだなぁと改めて思いました。

2014年3月2日日曜日

リグリクス WM0710 が開き始めました

本日は雨です。昨日に続いて雪にならずにほっとしていますが、河口湖の方で30cm越の積雪らしくて心配です。あちらは雪かきの進んでないところも多いので、雪崩など二次被害が無いといいなぁ。

WM0710 が結構開いてきました。ウィルさんのNS系リグリクスを数株育てていますが、それらとほぼ似た感じです。丸弁のカップ咲きで、とても良い匂いがします。

まだ開葯していないので開花ではありませんが、この状態でも雨模様にかかわらず結構強く香ります。自生地だと花のある方向が香りで分かる、というのも本当みたいに思えます。

 開花まで長く待たされたリグリクスでしたが、待って良かったと思いました。花型の良さと香りの良さ、強さとどれも手持ちの中では最上です。やや育てにくい部分はセルフで増殖を繰り返す上で選抜していくしかないかなと。セルフだと弱勢が起こりそうなので、出来れば別のサイトのリグリクスとクロスで種子を採りたいです。

リグリクスといえばリグラリア半島の付け根付近が産地として有名です。その後も他の研究者も含めてウィルさん自身も数カ所の離れた自生地を確認しているようです。ただそれらがリグリクスそのものなのか、ヴィリディス、ボッコネイなどと交雑しているかは研究中だそうです。

このサイトのものは典型的、と表現されているのでおそらくリグラリア半島に近いところのものではないかと思います。 今年が寒かったからなのか、前年の葉は全て年明けすぐに枯れてしまいました。

リグリクスは常緑種という「常識」があったのでこれは意外でした。オドルスはどうやっても枯れることなく、茶色くはなりますが春まで残る物が多いです。他のNS個体はどれも枯れずに残っていますので、ムムム……という感じ。

大木さんの即売会に行ってきました。今シーズンは大雪で大変だったと思いますが、これからも可愛らしい花の育種に努めて頂けると期待してます。
大雪でハウスが被害に遭われたお話もうかがいました。不幸中の幸いというか、育苗中の苗の大半は無事に救い出せそうだとお話しされていました。

それでもまだまだ雪が残っていて、壊れたハウスの撤去にも時間が掛かると大変そうです。人ごとではないなぁと身につまされる思いです。大木さんには色々面白いお話も聞かせて頂いたので、これからも大いに楽しみにしようと思いました。

左の花は即売会で購入してきたプラプラセンス交配の中輪花です。自分の手元には原種系の渋い色目のものばかりになってしまって、始めたばかりの頃のピンク系の花が一つも無くなってしまいました。

そのせいか余計にこの花が可愛らしく、買って買って~とアピールしていましたので連れ帰りました。スモーキーピンクという色合いになるそうです。これにイエロー系を足してもアプリコットにはならない感じがしますけど、抱え咲きの花弁少なめの優しい感じが気に入っています。

アプリコットといえば樋口さん。ウィンターシンフォニー・スウィングが中輪のアプリコットであるみたいです。それと比べても悪くない花だと思いますが、どうでしょうか。

2014年2月27日木曜日

ようやく? そろそろお絹さんも咲きそうです



大雪が降ったり寒かったりでなかなか生長しなかったお絹さんですが、この頃の暖かさのお陰でようやくつぼみが大きくなってきました。

例年に無く低温が続いたので、一時はつぼみが凍ったままダメになってしまうかとハラハラしましたが、意外と丈夫です。

サンシャインの展示品を見ても、若さま本家でも葉を切ってしまっているので、我が家でも古葉を切ることにしました。薄茶色になってしまって見苦しかったので、葉が付いていない姿がすっきりして見えますね。

花茎は四本のようです。つぼみは一茎あたり3個という感じでしょうか。花付きの良い交配種だと思いました。早く開いてくれないかなぁ。
 リグリクスもようやくこんな感じ。水仙を上品にしたような、甘めの香りがすっきりと香ります。今まで育てていた実生系のリグリクスとはちょっと違う感じです。

ウィルさんの実生個体はいくつか育てていますが、どれも丸弁でカップ咲きの花型が良い個体です。この現地採取のものも丸弁でカップ咲きになりそうなので、この系統を実生で増やしているのかなと思いました。

香りの強さで言うとかなり強いです。雨の日でも側によると香りが分かります。晴れれば更に強く香りそうで楽しみです。


 デュメトルムのダブルもつぼみがはっきりしてきましたが、やっぱりこの個体はあまり強くないと思っています。

昨年の初開花の時も三つあったつぼみのうち一つが咲かずに潰れてしまったし、今年も左の脇枝に一つ、右の主枝に一つ咲きそうなつぼみがありますが、他の三つは潰れそうです。

かなりしっかりと肥培して、栄養状態を良く保ってやらないと多くの花を咲かせるのは難しい個体なのだと思います。もともと原種なんだからその位クセはあるんだろうとは思いますが、デュメトルムはやっぱり難しい。



 クロアチクスのダブルも間もなく咲きそうです。こちらはデュメトルムに比べるといたって育てやすく、現地採取のクロアチクスもいくつか育てていますが、やっぱりそれも育てやすいのでクロアチクス自体が強健な種なのだと思います。

昨年の秋に植え替えをしていないので、丸一年以上そのままです。暖かくなる前に一回り大きな鉢に植え替えて根を緩めるか、欲しい人が多い個体なので株分けしようか考え中です。

クロアチクスに関しては株分け後の増殖も良いと感じていますので、分けちゃってもいいかなと思っています。


2014年2月9日日曜日

大雪

乗るしかないこの……的な。16年ぶりの記録的な大雪だそうで。地元でも13年ぶりに積雪43cmとかなんとか。

昨日から雪かきで腰が痛いです。

先週一週間は寒さのせいかほとんどつぼみの生長は見られずで、牛歩のようにゆっくりです。

月末くらいになりますかねー。

2014年2月1日土曜日

リグリクスとデュメトルム・ダブル

 つぼみの写真ばかり続いてしまいますが、今月中にはどちらも咲いてくれると思います。今日みたいな暖かい日が続けばすぐ咲きそうです。

これはWM0710のコレクターズNo.を持つリグリクスです。原地採取個体の株分け品なので、Wildの個体です。これはリグリクスの発見者であるウィル氏が「最もリグリクスらしいリグリクス」としているコロニーのものだそうです。

標本個体が採取された基準産地のものでは無いかもしれませんが、かなり近い特徴を持っている物と推測しています。つぼみがわりと丸っこい感じで咲く前から可愛いつぼみだなぁと思ってみています。


入手は2011年2月なので3年目でようやく花を付けてくれました。いままでリグリクスは生長の早い、育てやすい原種とばかり考えていましたが、この個体に関していえばそれ程育てやすくはありません。さて、今までとは違った花が咲くのでしょうか。少なくともリグリクスは常緑性が強いと考えていたわたしの中の常識はこの個体のせいで崩れましたw


もう一つが二回目の開花を迎えるデュメトルムのダブルです。こちらは大木ナーサリーさんの実生個体で、ウィル氏がハンガリー郊外で発見したデュメトルムのダブルの Selfで採種された子供たちです。

こちらはいたって原種っぽいというか、育てにくいです。実生でたくさん流通している一重のものより花芽も付きにくいと感じています。

個体差なのか純系になりすぎて弱勢を起こしているのかわかりませんが、クリスマスローズは元々他家受精の性質を持つ花なので、純系に固定しすぎると色々問題が起こるのは仕方ないのかもしれません。

別系統のデュメトルム・ダブルを手に入れて、クロスで増やしてみたいですね。

2014年1月30日木曜日

ダブル・クロアチクス

 今年で4年目になるクロアチクスのダブルが順調につぼみを大きくしてきました。株分けを何度かしていますが、小さく分けすぎなければ意外と良く殖えるなぁと感じています。

原種のダブルの中でもクロアチクスについては、交雑していて原種とは言えないとか、クロアチクスでは無いのでは? など様々に言われています。

自分も可能な限り調べてみましたが、この個体が確実にクロアチクスであり、園芸品種と交雑していないという確証は持てていません。

ただ昨今流通しているYさんの物でも、若泉さんの物でも、ましてや大木さんの物でも無い、ちょっと変わった由来の個体なので自分はクロアチクスで間違いないだろうと考えています。

文献をいくつか当たってみましたが、クロアチクスの特徴とされる花梗や苞葉の繊毛はまばらな個体もあればかなりはっきりとわかる個体もあるようです。ただ過去のデータ程クロアチクスでは無い、クロアチア産のアトロルベンスに対して調査してしまっている可能性があり、何とも言えません。

原種であるのか無いのか、何物なのか今ひとつはっきりしていませんが、譲って頂いた方の話しを信じて大事に育てています。花はとても可愛らしいバイカラーのダブルです。

先週より少しだけ大きくなってきたお絹さん。本家の若さまの元では既に開花が始まっていくつか販売もされているようです。やっぱりここは寒いのかなぁと思いながら、まだかな~と毎日待っています。

年末に咲き始めた卑弥呼はまだ一番花が雄しべが落ちきらずに咲いています。温度のあるところだと一週間程で老けてしまう花も、冬の戸外だと一ヶ月近く楽しめます。

二番花もそろそろ咲き始めますので、桜が咲くまでまだまだ美しい姿を楽しめそうです。

2014年1月23日木曜日

色づいてきたお絹さん

 絹もこの頃の暖かさのお陰かだいぶつぼみが大きくなってきました。このままだと二月中旬には咲いてしまいそうですね。戸外で過ごさせているので、山梨の冬は寒くて厳しいと思います。

手前に写っている苞葉が凍害を受けて白っぽく変色しています。葉先と言うよりは半分以上が凍って寒風にあおられてフリーズドライになってしまいました。

クリスマスローズはニゲル以外のほとんどの種類は、大きな苞葉でつぼみを守っています。ニゲルを片親に持つ絹ですが、チベタヌスの性質のお陰か大きめの苞葉でつぼみは守られています。
一番左端と二番目、右端の三つは花芽です。真ん中下向きの芽は大きめですが残念ながらつぼみは無さそうです。昨年もこのくらいの大きさの芽が二つ付きましたが、どちらも葉芽でした。

チベタヌスのピンク色を想像していると、それよりはずいぶんと紅色の強いつぼみだなと思います。桜のように淡いピンクの花が咲くのか、それともこんな感じの濃いめのピンクになるか。

若泉ファームさんより苗が届けられた時に、ちょっといたずらしている物です、という感じのメッセージが付いていました。もしかしたらこの絹は、今までの若さまの絹とは少し違った系統なのかもしれません。

まーそんな事は無いと思いますがw あと一ヶ月もすれば結果がわかりますので楽しみです。

2014年1月13日月曜日

卑弥呼

卑弥呼がようやっと咲いてくれました。昨年に若泉ファームより購入した株で、今年は二年目の開花です。これは卑弥呼の中でもネクタリーが黄緑になるタイプ。

つぼみは昨年のうちに上がって大きくなっていましたが、寒い日が続いたのでほぼ一ヶ月ほとんど生長しませんでした。株元にある二番、三番のつぼみはどれもまだ小さくて、こちらは本格的な春の訪れまでお休みな感じです。

 昨年も思いましたが、卑弥呼の花びらは厚くてしっかりしています。毎晩凍って溶けてを繰り返していても傷んだところが見当たりません。

クリスマスローズは本当に寒さに強いんだなぁと感心しています。ただ、雪の下に埋もれてしまうような場所だと雪解けまで芽を出さないことを願います。山梨は空っ風が吹きすさぶ真冬の寒さ。辛い環境でもしっかり咲いてくれます。

抱え咲きで控えめなうつむき咲き。色もしっかりと赤いクリスマスローズです。