2013年3月19日火曜日

葉の美しさ

二つ目の葉芽も元気に生長中のお絹さんです。展開中の新葉は、葉脈に沿って入る白い模様が目立ちます。上に写っている葉のように、ある程度固まってくるとこの白っぽい模様は徐々に薄れていって、最後は分からなくなってしまいます。

昨年とはずいぶんと葉の雰囲気が変化してきました。大きめの鋸歯が全体に入るのは同じですが、所々不連続に欠刻が入ります。この性質がチベタヌスから来ているのか、ニゲルから来ているのか分かりませんが、面白い現象だとみています。

エリックスミシーの品種の中に、この葉のような編み目に白く抜ける模様を持つ品種があります。最初それはリヴィダス由来の形質だと思っていたのですが、最近になってどうも違いそうだと思い始めました。

ニゲルのマーブルリーフを見た時に最初に引っかかりを感じたのですが、このお絹さんの葉を見ていてやっぱりそうなのかなぁと。この形質、どうやらニゲルの方にありそうです。葉脈に添って葉緑素の発現が遅れている、一種のアケボノ斑なのではないかと思い始めています。 ただ、ニゲル・マーブルリーフの場合は後暗みしないので、こういうタイプを何代か継続していると固定化するかもしれません。

それが植物にとって幸せな方向なのか、不幸なのかは分かりませんが。来年は桜色のおしとやかなお顔を拝見できる事を期待して居ます。

2013年3月16日土曜日

斑入りのリゲルその後

なんかもう、かなりのノンビリさんで。そろそろクリスマスローズも終わりだよと言う今頃になって、小さなつぼみを上げてきました。

それだけ「斑入り」というのは生長阻害するんだなぁとしみじみ感じています。人の目から見ると美しいと感じたり、珍しいと思ったりするこの斑入りですが、植物にとっては迷惑な事この上ない現象ですね。

芽数は良く増えています。斑の入らなかった兄弟株はどれも2~3芽になっているのに対して、この株だけ6芽に増えています。

葉の枚数も多いですし、一枚あたりの光合成が減ってしまうのを補うために、必死で枚数を増やしているって感じがします。花なんか咲かせてる場合じゃないと。それでも天芽につぼみを持ってくれたのは、ようやく花を付ける余裕が出てきたのかなと少しホッとしています。

相変わらず完全な青葉は出にくいようで、うまく斑が散ってくれています。継続性は高そうなので、株分けしながら少しずつ増やしていこうかと考えています。

 デュメトルムのダブルは順調に生長中です。Selfで付けたタネもしっかりと出来ているようで、充実してくれるのを待っています。

何粒採れるかなぁ。

2013年3月10日日曜日

大木さんの即売会

大木ナーサリーさんの即売会に行ってきました。今シーズンはこの土日で最後なんだとか。この頃はやけに暖かい日が続いているので、一気に開花が進んだ感じもあります。

色々なタイプが所狭しと並んでいるのはやっぱり即売会ならではですね。場所は例年通りの gallery trax です。大木さんと言えば原種、ってイメージがありますが、オーソドックスなハイブリッドも普通にあったりします。

今回並んでいたのは、どちらかというと大木さんのイメージ通りというかw 原種交配と表現される、原種の形質が強く表れている物が多かったように見えました。

大木さんはラベルに「○○Fx」って感じに、原種と掛けてから何代目だよというのが分かるように書いてくれます。デュメトルム、ムルティフィダスなどの F3が目に付きました。

室内の展示はこんな風におしゃれです。テーブルと壁が白くて、古びた木目の床といい感じで対照的です。そこに飾られたポットは何だかブティックに並んでいるアクセサリーのようです。

ただ、黒ポットそのままなのでかなりワイルドですがw
以前の即売会で、自生地の雰囲気を再現する試みをされていた事があります。

床に落ち葉を敷きつめてそこにポットを埋めるように飾っていました。あれはとても大変だったと思いますが、雰囲気はいい感じだったなぁと思い出します。

壁に飾っている写真は大木さんが撮ってこられた自生地写真が並んでいます。いくつか説明して頂きましたが、直接見る事の少ない自生地の雰囲気が色々と想像できて、写真を見るだけでも十分に楽しい展示でした。プルプラセンスの青っぽい花にはびっくりしました。

 そんなわけで本日のお持ち帰りは、こちらのプルプラセンスがまず一つ。大木さんのNSで咲いてきた花だそうです。

色合いというか、紫の入り方がなんか不思議な感じがします。プルプラらしくないというと変ですが、 自分が今まで持っていなかったタイプです。

苞の形もだいぶ違う感じなので、ハンガリーの個体しか比較対象がありませんが、これはどこか違うところのプルプラセンスの子供なのかもしれません。

肉厚な花びらはやっぱりプルプラなんですけどね。ぎゅっと固まった雄しべの感じとか。

もう一つはムルティ交配 F3の表記があった、多弁タイプのバイカラーです。表側にはベインも入るようで、なかなかにどぎつい色彩のお花。

個人的に嫌いじゃないこのタイプですが、多弁タイプは初めてかもしれませんね。これで横向きでどばっと開いたらさすがに引くかもしれないw

この一番花は雄しべが正常ではありませんでした。花粉が出ないタイプといいますか、小さくなって元で固まってしまっているもの。ただ株が若くて力不足でそうなっているのか、交配の結果雄性不稔になっているのかは分かりません。

見た感じでは前者じゃないかなと思いますが、面白そうな雰囲気を感じたので何か交配してみようと思います。雌しべは正常な感じなので。

ムルティ交配は背が高くなるものが多いのですが、これは大木さんが言うコンパクトタイプなのかもしれません。葉の茂りの上で花は咲いていますが、 15cmくらいの所でしょうか。以前に見た事のあるこの兄弟株という花は倍以上の背丈が出ていたので、雰囲気がかなり違いました。

のっぽさんも好きなんですけどねー。この子供たちはどうなりますやら。

2013年3月6日水曜日

変わった模様の花

二年前に実生一年苗で購入した「花あそび」さんの原種交配苗が咲きました。当時はヤフオクでの購入だけだったかな? いくつか原種交配を落札していて、その内の一つです。

今年はこの一つだけですが、来年以降色々咲いてきますので、花あそびさんの交配には注目しています。もうお一方、ヤフオクで出している個人の方のお花も注目しているのがあるのですが、そちらの方はネットショップなどはやっていないようで、趣味の範疇で楽しんでおられる様子。

さてこの花は原種交配のDDグリーン吹っ掛け絞り小輪にDDデュメトルムを交配したものだそうです。写真だと分かりにくいですが、直径が 2.5cm程の小輪で最近の陽気にも関わらず、開くのに一週間近く掛かったという身持ちの堅いしっかり者です。

花弁はややサイズが小さいので、来年以降変化するか、このままか判断が難しいですが、初開花の為本来の状態では無いと考えています。

 特徴的なのがこの不規則なドット模様。吹っ掛けという表現がまさしくそのままで、あえて英語風に言うなら「ダップルド・バイカラー」って感じでしょうか。

スポットと言われている模様は規則性があります。この模様には規則性を感じません。全体としてみれば幅の広い覆輪状に散っていますが、いくつかは中央にも飛んでいます。

スポットなどの遺伝子とは異なる、別の遺伝子が支配していると思います。トルカでこういうタイプの模様を見たことがあるので、種子親の方にそういう遺伝子があったのかなぁとか。

正面には入りませんので、もっと緑が不透明になれば透けずにコントラストが綺麗になるかと思います。夢花人さんがデュメを使うと色が濁るから好きになれないと仰っていますが、まさにその濁る、抹茶のような不透明感を強くすれば表裏のコントラストが上がってキレが出るんじゃ無いかと考えています。

元々の交配の狙いがその辺にあった気がするので、ひとまずはセルフで。DDデュメは既に花が終わってしまったので、戻し交配はうまくいって来年になりそうなので、セルフでどこまで抹茶になるか見てみようと思います。

2013年3月3日日曜日

出てきちゃいましたw

前にちょこっと書いていた、今年の発芽苗で芽が出てくるかな、どうかな、と考えていたものです。蒔いたタネが発芽しないよりは出た方が良いじゃないか、と叱られそうですが、交配の組み合わせを考えると出てこないこともあるのかな~なんて密かに思ってました。

予想とは往々にして裏切られるもの。むしろ斜め上を行ってこその予想! なんて訳でもありませんが、自分の中でもっとも気にしているタネたちはとりあえず二本発芽してくれました。全部で5粒しか採れなかったので、残り3粒も元気で出てきてくれるかな、それともダメになっちゃったかな……

右下の最初に出てきた双葉を等倍で切り出してみました。後ピンで見にくくて申し訳ありません。さてこの双葉、発芽してそろそろ5日程経過するんですが……ちょっと妙な感じがしませんか?

どこがどう、とはっきり言えないのですが、他の双葉の初期状態と比べると、厚ぼったくみずみずしい感じで、このあと生長して大きくなるのかなぁ、と疑問を感じます。

有茎種のリヴィダスがこんな感じの双葉を出してくるんですが、この種子は全く関係ない交配です。少しネタバラしすると種子親はリグリクスです。花粉親は、さてなんでしょうw この交配するのはけっこう苦労してタイミングを合わせた、がヒントです。けっこういろんな人が既にやってるんじゃないかと思いますので、もう咲いてる花もあるんじゃないかな。

咲くまでどの位掛かるか分かりませんが、リグリクスの早生な性質を受け継いでくれると嬉しいです。ついでに香りもw

2013年3月1日金曜日

今年の「お絹さん」の様子

我が家に来てから丸一年と半月程が経過した今日、二回目の植え替えを行いました。植え替えといっても鉢増しなので、根にはあまりダメージは与えていないと勝手に思い込んでますw

今までの鉢は中深鉢の5号サイズ。これからバラ用の6号のロングポットに鉢増ししました。下から1/4はナチュライトの大粒がたっぷり入っていますので、水捌け抜群です。

用土は昨年植える時に使った原種用の配合に、今年の改良を加えたもの。昨年後半くらいから今の配合に切り替えていますが、トルカやデュメなどの根傷みがかなり減ったので、今の配合がベストなのかなと考えています。

愛称で「お絹さん」と呼んでいますが、これはご存じの通り若泉ファームさんの「絹」です。秋頃に新芽の芽当たりが大きくなってきたので、もしや!? と勝手に盛り上がっていましたが、やっぱり花は咲かずに葉芽でしたw さすがにお嬢さま、そう易々と心を許してはくれないようです。

反対側から見るとこの通り、もう一つ葉芽が動いていますし、親の頂芽も新葉を展開してきました。植え替えの時に見た感じでは傷んでいる根も無さそうでしたので、まずまずの栽培だったのでは無いかとホッとしているところです。

ニゲルそのものだと古い葉先が傷む事はまだ無いのですが、年明けくらいからちょっとずつ葉先が茶色く枯れ込んできました。これは灰色カビ病にでもやられたのか、と殺菌剤を散布していますがあまり効果が無い様子です。

落葉性のチベタヌスの血がそうさせるのか、でもチベタヌスだって葉が枯れるのもっと後だよなぁとか、昨年届いた時はどうだったっけ? とか色々考えてしまいますが、新葉が傷み無く展開すれば大丈夫だろうと決め付ける事にしました。考えてもよく分からんしw

 昨年出てきた新芽は、本当にうっすらとだけだったのであまり気にしていませんでしたが、お絹さんの葉って模様葉なんですねぇ。

葉脈に沿って白く抜ける、リヴィダスなどに見られる現象です。ニゲルのマーブルリーフだともっとはっきり表れたりしますが、お絹さんの葉の感じだとテンナンショウの銀葉っぽい感じもして好ましいです。

よく見ると小葉の付け根の辺りはうっすらピンク色も乗っていて、新芽が伸びて葉が展開してくるこの時期だけの美しさだよなぁと、瑞々しい新葉を堪能しています。葉が完全に展開して革質な感じに硬く、厚ぼったくなる頃にはこのピンク色も、模様も消えてしまうと思いますが、それまでは毎日ニヤニヤしていようかと思います。チベタヌスの形質なんでしょうかね~。